
落合陽一さんの執筆している2冊の本をよみました。
この本から得ることができる内容は多すぎて書ききれませんが、
伝えたいことをまとめると
- 日本の人口減少と高齢化は、仕事を機械化することに有利になる。
世界の中でいち早く機械化を取り入れることで、世界への輸出戦略への先駆けとなる。
- ひとつの職業訓練を受けて永遠にその職業についていれば大丈夫という考え方はなくなる
専門家の方がかっこよくみえるが、今後はいくつもの職業を掛け持ちすることが大切
- 専門では「オンリーワン」で「ナンバーワン」になろう。そのためには
『それによって誰が幸せになるのか』
『なぜ、その問題なのか。なぜ先人たちはそれをできなかったのか』
『実現のためのスキルは他の人が到達しにくいものか』
を考えること
テクノロジーの発達・自動化によって、どんどん変化する時代になる。
まさに、コロナウイルスによる感染拡大は、
人と人との「非接触型インターフェス」の浸透を社会に促した結果といえるとの見解を示していました。
私の中でうまく説明することはできませんが、
視能訓練士に当てはめてみたら…そんな想像をしてみたら意外としっくりきたので、それを解説します。
視能訓練士になってから今日までのテクノロジーの進歩
私が視能訓練士として勤務し始めたのは、今から19年前の21歳。
医学の世界は日進月歩といわれますが、まさかここまで変化するとは思いませんでした。
もちろん、テクノロジーの進歩により我々はかなり助けられていますが。
自動視野計(ハンフリー)の進歩
私が就職した頃のハンフリーは、測定時間が片眼10分はかかっていました。
患者さんから、「こんなきつい検査はもうしたくない」としょっちゅう言われ、
その度「そうよね、もっと測定時間が短くなるといいのに…」と思っていましたね。
それから約20年…
ハンフリーはバージョンアップを繰り返し、今や正常眼では3分かからず下手すると2分以内でできるプログラムだってあります。
そりゃGPを選択する先生、少なくなりますよね。(もちろん、疾患や視野によります)
でも今でも患者さんからは言われます、「この検査嫌い」
私「…」。
光眼軸長測定器の発展
正直、超音波Aモードを術前検査で測定するのは好きではなかったですね。
自分が未熟なせいで、眼軸のずれが生じて患者さんや先生に迷惑をかけてしまったことは多々あります。
IOLマスターが導入されたときも、信用ならんと皆Aモードを測定していましたね。
あれから約20年。
光眼軸長測定器も素晴らしい進化を遂げ、もはや手動で眼軸長を測定する機会はほとんどなくなりました。
ケラトも同時に測定してくれるため、光眼軸長測定器だけでほぼIOL度数を決定できるまでに進化しました。
眼底三次元画像解析(OCT)の登場
最近の眼科機器の中で、最も偉大な功績を残したといっても過言ではないのが、この眼底三次元画像解析(以下OCT)ではないでしょうか。
現在のOCTは、網膜黄斑疾患に加え緑内障の診断にも用いられています。
またOCT-Angiographyにより、造影剤を用いなくても網膜の血管の状態まで把握することができるようにまでなってきました。
うちの病院ではNIDEKのMiranteを使用していて、OCTに加え眼底カメラ(広角も含む)を同時に測定することができるため、大変重宝しています。
多焦点眼内レンズの登場
ここは視能訓練士の検査とは異なるのですが、
眼科の大きな変化の1つとして登場したのが多焦点眼内レンズです。
はい、今の眼内レンズはハローグレアも少なく、遠くも近くもよく見えちゃいます。
もちろん、患者さん側も見え方のクオリティーを求める時代になってきたので、それだけ神経は使いますがね。
脅かされる視能訓練士の未来!?
最近Twitterに投稿したのがコチラです。
「2025年、人は買い物をしなくなる」を読んでいて、ドキッとしたのは
《わざわざ行く価値がある、という店舗だけが生き残る時代になる》
つまりそのお店に行かなきゃ購入できない、体験できないことがないと生き残れない。
病院もAIが導入されると、価値のある病院しか生き残れないんじゃないか
文字数足りずに打てませんでしたが、追加するなら
「病院だけじゃなく、視能訓練士も生き残れなくなるのではないか」
器械の進歩によって便利さが増す反面、間違いなく言えることがあります。
視能訓練士の熟練度の価値が低下している
もっといわせてもらうなら
検査自体であれば、視能訓練士じゃなくてもできる
もちろん、視能訓練士じゃないとできない検査もたくさんありますし、意味が分かって行わないと意味ない。
それはその通りです。
その通りなのですが、少なくとも私が視能訓練士になったときには、
。
考えていただきたいのはここから先の未来です。
検査機器の精度はさらに増してくる
もうこれは疑いようのない未来です。
この前業者さんにちらっと聞いたのですが、次回のバージョンアップではAIが自動的に…みたいな話もでていました。
もしかしたらそう遠くない未来には、患者さんの視力をAIを用いて測定している時代がくる。
絶対にありえないとは言い切れません。
そうなってくると、視能訓練士の存在意義はどうなってくるのでしょうか?
視能訓練士は必要なくなるの?
視能訓練士が必要なくなるわけではありません。
というか、なくならないようにしないといけません。
じゃあ、視能訓練士として働いていくにはどうしたらいいのか?
ない知恵を振り絞って考えた結果、結論はでませんでした。
結論はでませんでしたが、
視能訓練士が社会から必要と思われるように考え続け、行動し続けていく
ことが重要になってくるんじゃないかと思います。
例えば
✅この分野・この検査なら誰にも負けないという専門性をもつ
✅AIが発展するならAIを使いこなす視能訓練士になる
なんかがありますが、私自身としては落合さんが言っていたように
他のスキルを身につける
これもアリなんかじゃないかと思っています。
他のスキルを身につけておくと、思いもよらないところで仕事と結びつくことがあるんですよ。
多職種の方との交流も、もっともっと必要になってくると思います。
で、私は英語を勉強してみたり、ロービジョンをかじってみたり、就労について学んでみたりとジタバタしています。
正直に言いますね。
今のままだったら、不安なんです。
だからジタバタしています。
動かないよりも、動いている方が不安は少しだけ減らすことができます。
何より大きいのは新しい出会いですね。
ジタバタした結果、新しい出会いが増えました。
結局、最後は人だと思います。
出会ってくれた皆さん、ありがとう^^
私からアドバイスできるとすれば
視能訓練士の仕事とは関係ないと思わずに、色々チャレンジしてみて下さい。
ってことですかね。
以上「視能訓練士の未来を考えてみた(落合陽一さんの本を読んで)」でした。

いつも最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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